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SIGMA fp メジャーアップデート ファームウェア Ver.2.00 リリース

SIGMA fp メジャーアップデート ファームウェア Ver.2.00 リリース

先日 SIGMA fp のメジャーアップデートVer.2.0.0が公開となりました。今回のアップデートで追加となった機能を紹介したいと思います。

なんと言っても驚くのは、これだけの機能拡大を無償のファームウェアで提供するというところです。国内のカメラメーカーのこれまでの歴史の中でも、そう何度もあったことではないと思います。

今回追加された機能は以下の通り。(SIGMA HP より転用)

・シネマグラフ作成 / 再生機能
・CinemaDNG再生機能
・Cineモードでのライブビューおよび動画撮影中の静止画撮影機能
・SIGMA fpで撮影した動画ファイル(CinemaDNG、MOV)から静止画ファイルを作成する機能
・動画撮影時のHDR撮影機能
・ディレクターズビューファインダーモード中の動画・静止画撮影機能
・DCI 4K 12bitのHDMI RAW出力機能
・ATOMOS社製「NINJA V」によるHDMI経由のRAW記録に対応
・Blackmagic Design社製 「Blackmagic Video Assist 12G」によるHDMI経由のRAW記録に対応
・ZHIYUN製ジンバル「WEEBILL S」でのカメラコントロールに対応
・SHOOTメニューでのグレーアウト項目の説明文表示機能
・USBモードにカメラコントロールを追加※7月以降

【機能拡張・変更】
・ISO100、3200 のデュアルベース ISO 採用
・AF性能向上
・評価測光の精度向上
・記録画質向上
・CinemaDNG UHD 12bitにおけるフレームレート25fpsおよび29.97fps記録が可能
・CinemaDNG FHD 12bitにおけるフレームレート100fps記録が可能
・CinemaDNG FHD 8bitおよび10bitにおけるフレームレート100fpsおよび119.88fps記録が可能
・カラーモードにOFF(切)を追加
・QS (クイックセット) に露出補正を追加
・動画撮影時にトーンコントロール「オート(弱・強)」の設定が可能
・ビデオクラス(UVC)でのUSB接続時における設定の変更が可能
・タイムコード入力に対応
・音声 BWF フォーマットに対応
・アスペクト比 7:6 の記録サイズを変更
・シャッター音の変更

【不具合修正】
・記録動画の暗部がちらつく現象を改善
ビデオクラス(UVC)設定でのUSB接続時および動画撮影時の不具合の修正
・記録メディアへの記録安定性の向上
・その他軽微な不具合を修正

 

CinemaDNG再生機能

これまでもfpでCinemaDNG収録することはできましたが、収録データをプレイバックすることはできませんでした。今回のアップデートにてCinemaDNGの再生に対応。実際に弊社でも再生できることを確認しました。

DCI 4K 12bitのHDMI RAW出力 外部レコーダーによるProRes RAW / Blackmagic RAWへの対応

fpでHDMIによるRAW出力がサポートされたと同時に、ATOMOSのNINJA V 、BlackmagicDesignのVideo Assist 12Gで外部RAW収録ができるようになりました。各社のモニターレコーダーのファームウェアを対応バージョンに上げることでProRes RAWやBlackmagic RAWでの外部収録が可能になります。フルサイズセンサーでCinema DNG、ProRes RAW、Blackmagic RAWに各種対応しているカメラとしては唯一無二の存在であると言えます。Adobe Premiere Pro、Final Cut Pro X、DaVinci Resolveなど、メジャーなNLEソフトウェアで幅広く使うことができ、DCI4Kでの出力も追加、ユーザーが待ち望んだ待望のアップデートと言えます。

カメラコントロールSDK公開(7月上旬公開予定)

USB経由でのカメラコントロールなどを可能にするためのSDKも公開予定。今後対応するジンバルや周辺機器が増えることが期待されます。発表時の段階ではZHIYUNの「WEEBILL S」がすでに対応を表明。こちらの機能もファームウェアアップデートでジンバルからの操作が可能になります。サードパーティーの対応が期待されます。

ISO100/ISO3200 のデュアルベース ISO 採用

なんと最初から搭載されていたということで驚きを隠せませんが、デュアルベースISOが今回のファームウェアで有効化されました。これまでのISO100に加えて高感度側にISO3200を追加、ここ最近ではミラーレス市場においてもトレンドとなったデュアルベースISOの採用で、様々なシチュエーションで撮影することができるようになりました。

そして注目のチャートがこちら。ISO100からISO800まではハイ側とシャドウ側のダイナミックレンジが変わっているものの合計12.5Stopは変わっていません。フルサイズセンサーということもあり、ノイズ耐性はそもそも強いカメラですので、ISO100からISO800までは撮影環境に応じて可変しても問題なさそうです。注意点としてはISO1600のダイナミックレンジが12.16Stopという部分です。ISO3200が12.46Stop、ISO6400が12.3ストップですので、ISO1600で撮影するくらいならISO3200まであげてしまった方が良い結果が得られるということになります。

カラーモードOFF(切)を追加

これまでは切ることができなかったカラーモード。センサーが受け取ったリニアのデータにガンマカーブを適用せずに収録することができるようになりました。外部収録RAWにする際にもガンマカーブが適用されないため、センサーデータのネイティブ情報を見ることができるようになりました。一方でLOG収録が実現しなかった部分は残念ではありますが、リニアで出力できるようになったことは、撮影時に露出の決定に工夫が必要であるものの、非常にありがたい機能追加であると言えます。リニアで出力できるということはやり方次第ではどんなカメラにも都合よくルックを合わせることができるということでもあります。

まとめ

今までのfpの良さをさらに向上させることができるメジャーアップデート。fpはフルサイズセンサー搭載、内外での多彩なRAWフォーマット収録に対応、自社ですでにリリース済みのEFマウントアダプターやPLマウントアダプターを使用することで多くのシネレンズ に対応、シネマカメラでありながら静止画撮影にも妥協なし、これらを考慮すれば小型で低価格のシネマカメラとしては不動の地位を獲得できる能力を持っていると言えます。今後弊社のプロジェクトでもfpを利用した映像制作案件を予定しておりますので、またビハインドシーンも含めてご報告したいと思います。

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